株式会社オーエフ(本社:東京都港区 代表取締役 西山 耕平、以下「当社」)は、石川県金沢駅前に建設中の高層テナントオフィスビル「Hirooka Terrace」において、統合ネットワーク構築の統括ベンダーとして参画することが決定いたしました。
「Hirooka Terrace」は、株式会社北國フィナンシャルホールディングスが開発を進める、地上13階建て、高さ58.7メートル、全国初のNearly ZEB(ニアリー・ゼブ)を達成した20,000㎡長の高層テナントオフィスビルです。株式会社三菱地所設計が設計監理を担当しています。
当社は、このプロジェクトにおいて、統合ネットワーク構築の統括ベンダーとして、建物全体のIoT化を推進しています。入退館管理システム、照明制御、監視カメラなどの設備を一つのネットワークに集約し、設備間の連携をスムーズに行い、効率的な運用とエネルギー管理を実現します。
提供:株式会社三菱地所設計
■統合ネットワークとは
統合ネットワークとは、ビル内のさまざまな設備やシステム(例:照明、空調、監視カメラなど)を1つの基幹ネットワークに集約し、一元的に管理する技術です。従来のシステムでは、各設備ごとに独立したネットワークが必要で、専用の配線や機器が別々に求められ、設置や運用に多くのコストがかかっていました。
統合ネットワークでは、こうした配線や機器を1つのネットワークに統合することで、複数の設備をまとめて管理できるようになり、設備ごとに専用の配線や機器を追加する手間と費用を大幅に削減することができます。また、管理が効率化され、将来的に新しい設備やシステムを追加する際も柔軟に対応できるようになります。
■統合ネットワークの主なメリット
1. コストの削減
統合ネットワークでは、すべての設備を一つのネットワークにまとめることで、配線や機器の数が減り、設置コストを抑えることが可能です。また、メンテナンスにかかるコストも削減され、ビル全体のコスト効率が向上します。
2. 管理の簡素化
すべての設備が一つのプラットフォームで管理されるため、管理作業がシンプルになり、管理者はリアルタイムでビル全体のシステムを一元管理できます。異常が発生した際も迅速に対応でき、設備同士の連携が効率的に行われ、運用の最適化が図られます。
3. 将来の拡張性
統合ネットワークは、将来の技術進化や設備追加にも対応可能な柔軟性を持っています。IoT技術やAIシステムが進化した際も、新しいシステムを簡単に追加できます。これにより、技術革新に迅速に対応しつつ、長期的な運用コストも抑えられます。
■統合ネットワークのデメリットと対策
統合ネットワークは、ビル内のすべてのシステムを一つのネットワークに集約するため、ネットワークの一部に障害が発生した場合、その影響が複数の設備に波及するリスクがあります。これに対して当社では、冗長構成を採用しており、障害が発生してもネットワーク全体が停止することを防いでいます。また、バックアップネットワークや設備を整備し、トラブル時には迅速に切り替えができる設計を施しています。
さらに、365日稼働する監視センターでネットワークをリアルタイムで監視し、異常が発生した際には速やかに対応する体制を整えています。これにより、ビル全体の信頼性を保ちながら、安全で安定した運用を実現しています。
■Hirooka Terraceでの統合ネットワークの導入
「Hirooka Terrace」では、統合ネットワークを導入することで、ビル全体の設備を一元的に管理し、運用の効率化と利便性向上を実現しています。さらに、IoT技術を活用した照明や空調の自動調整により、エネルギー消費を最適化しています。
これらの取り組みにより、エネルギーの無駄を削減し、環境への配慮を強化しています。
■当社の役割
当社は、統合ネットワークの設計・構築から、設備間の調整、通信の優先順位設定やセキュリティ対策、IPアドレス管理など、システム全体の最適化を担当しています。さらに、各設備ベンダーとの調整を行い、全システムの結合試験を実施することで、ビル全体のシステムが円滑に稼働するよう整えています。
「Hirooka Terrace」は、最先端の設備と快適な環境を兼ね備えた未来志向の複合施設として2025年7月に竣工予定。当社は今後も引き続き統合ネットワークを推進していくとともに、地域社会の発展と地球温暖化対策に積極的に取り組んで参ります。